スマートフォンのバッテリー発火は、非常に稀ですが、高温が原因で起こるリスクです。これは、バッテリー内部で起きる「熱暴走(サーマルランアウェイ)」が原因です。

バッテリーは、熱に晒されると内部が不安定になります。熱が限界を超えると、内部でショート(短絡)が起き、さらに多くの熱が発生します。この熱がまた新たなショートを引き起こす連鎖反応が「熱暴走」です。この制御不能な状態になると、バッテリーが破裂し、中の可燃物が発火する可能性があります。

危険性が高まる主な状況

  • 炎天下の車内: 直射日光や密閉された空間で、周囲の温度が極端に高まる。
  • 充電中の高負荷使用: 充電自体も発熱するため、ゲームや動画視聴と同時に行うと危険。
  • 物理的な損傷: 落下や衝撃でバッテリー内部が傷ついている場合。
  • 非純正・破損した充電器: 不安定な電流が流れ、バッテリーに負担をかける。

もしスマホが高温になったら

  • すぐに使用を中止し、充電を止める
  • ケースを外し、涼しい場所に置く
  • 冷蔵庫や冷凍庫には絶対に入れない

iPhoneは、温度が高くなると警告を表示し、自動的に動作を停止する安全機能を持っています。このサインを見逃さず、日頃から熱対策を行うことが、事故を未然に防ぐ最も重要です。